NPO法人設立の流れと条件を解説

NPO法人設立の流れと条件を解説

NPO法人設立の流れ

NPO法人設立の主なステップ
📝
書類作成

定款や事業計画書など必要書類を準備

👥
設立総会開催

10人以上の社員で設立総会を実施

🏛️
所轄庁への申請

認証申請を行い、審査を受ける

 

NPO法人の設立は、一般的な株式会社の設立とは異なる独自の流れがあります。ここでは、NPO法人設立の主な手順について詳しく解説していきます。

NPO法人設立に必要な書類作成

NPO法人を設立するためには、まず必要な書類を作成する必要があります。主な書類には以下のようなものがあります:

  1. 定款
  2. 役員名簿
  3. 設立趣旨書
  4. 事業計画書
  5. 活動予算書
  6. 設立総会の議事録

 

これらの書類作成には細心の注意が必要です。特に定款は、NPO法人の根幠となる重要な書類であり、法律に基づいた正確な記載が求められます。

NPO法人設立のための設立総会開催

書類の準備ができたら、次は設立総会を開催します。設立総会では、以下の事項を決議します:

  • 定款の承認
  • 役員の選任
  • 事業計画・活動予算の承認

 

設立総会には10人以上の社員(正会員)が必要です。この10人以上という条件は、NPO法人の特徴的な要件の一つです。

NPO法人設立の所轄庁への申請手続き

設立総会が終了したら、所轄庁(都道府県または指定都市)に認証申請を行います。申請書類には以下のものが含まれます:

  • 設立認証申請書
  • 定款
  • 役員名簿
  • 設立趣旨書
  • 事業計画書
  • 活動予算書
  • 設立総会の議事録

 

所轄庁は申請書類を受理後、2ヶ月間の縦覧期間を設けます。この間、市民からの意見を受け付けます。

NPO法人設立の登記手続き

所轄庁から認証を受けたら、2週間以内に法務局で設立登記を行います。登記が完了すると、正式にNPO法人として活動を開始できます。

 

登記に必要な書類は以下の通りです:

  • 定款
  • 認証書の写し
  • 設立時の財産目録
  • 登記申請書

NPO法人設立後の税務上の注意点

NPO法人設立後は、税務面での対応も重要です。NPO法人は原則として法人税の課税対象となりますが、特定非営利活動に係る事業は非課税扱いとなります。ただし、収益事業を行う場合は法人税の申告が必要です。

 

また、認定NPO法人の資格を取得すると、さらなる税制優遇を受けられます。認定NPO法人になるためには、一定の要件を満たす必要があります。

 

NPO法人の税務について詳しくは、以下のリンクを参照してください。

 

国税庁:NPO法人に対する課税

NPO法人設立の条件

NPO法人設立の主な条件
🎯
特定非営利活動

20分野の活動のいずれかを主目的とする

👥
社員数

10人以上の社員(正会員)が必要

💼
役員構成

理事3人以上、監事1人以上が必要

 

NPO法人を設立するには、特定非営利活動促進法に定められた条件を満たす必要があります。ここでは、主な条件について詳しく解説します。

NPO法人設立の特定非営利活動の要件

NPO法人の設立には、20分野の特定非営利活動のいずれかを主たる目的とする必要があります。これらの活動分野には以下のようなものがあります:

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 観光の振興を図る活動
  5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動

 

など、全20分野が定められています。

 

活動分野の詳細については、以下のリンクを参照してください。

 

内閣府NPOホームページ:NPO法人の活動分野

NPO法人設立に必要な社員数と役員構成

NPO法人の設立には、10人以上の社員(正会員)が必要です。また、役員として以下の構成が求められます:

  • 理事:3人以上
  • 監事:1人以上

 

役員は社員の中から選任されますが、理事と監事を兼任することはできません。また、役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下である必要があります。

NPO法人設立の営利性の制限

NPO法人は、その名の通り非営利組織です。そのため、以下のような制限があります:

  • 剰余金の分配を行わないこと
  • 解散時の残余財産を社員に分配しないこと
  • 特定の個人や団体の利益を目的としないこと

 

ただし、NPO法人が収益事業を行うことは可能です。収益事業で得た利益は、特定非営利活動に係る事業に充てる必要があります。

NPO法人設立の政治・宗教活動の制限

NPO法人は、政治上の主義の推進や特定の公職者の推薦、反対を主たる目的とすることはできません。また、宗教の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成することを主たる目的とすることもできません。

 

ただし、政治や宗教に関連する活動を完全に禁止しているわけではありません。例えば、環境保護や人権擁護などの観点から政策提言を行うことは可能です。

NPO法人設立と一般社団法人の違い

NPO法人と一般社団法人は、どちらも非営利目的の法人格ですが、いくつかの重要な違いがあります:

項目 NPO法人 一般社団法人
設立手続き 所轄庁の認証が必要 登記のみで設立可能
社員数 10人以上必要 2人以上で設立可能
活動分野 20分野に限定 制限なし
情報公開 義務あり 義務なし

 

NPO法人は設立手続きが複雑ですが、社会的信用度が高く、税制優遇を受けやすいというメリットがあります。一方、一般社団法人は設立が容易で活動の自由度が高いですが、NPO法人ほどの社会的信用や税制優遇は得られにくいです。

NPO法人設立のメリット

NPO法人設立の主なメリット
🏛️
法人格の取得

契約主体となり、社会的信用度が向上

💰
税制優遇

特定非営利活動に係る事業は非課税

🤝
行政との協働

行政からの委託事業や補助金を受けやすい

 

NPO法人を設立することで、様々なメリットを享受することができます。ここでは、主なメリットについて詳しく解説します。

NPO法人設立による法人格取得のメリット

NPO法人として法人格を取得することで、以下のようなメリットがあります:

  1. 契約の主体となれる
  2. 不動産登記ができる
  3. 銀行口座を法人名義で開設できる
  4. 社会的信用度が向上する

 

法人格を持つことで、個人ではなく組織として活動できるため、より大規模な事業展開が可能になります。

NPO法人設立の税制優遇メリット

NPO法人は、特定非営利活動に係る事業について法人税が非課税となります。また、認定NPO法人になると、さらなる税制優遇を受けられます:

  • 寄附金控除制度の適用
  • みなし寄附金制度の適用
  • 相続税の非課税措置

 

これらの税制優遇により、NPO法人の財政基盤を強化することができます。

NPO法人設立後の行政との協働メリット

NPO法人は、行政との協働がしやすいという特徴があります。具体的には以下のようなメリットがあります:

  • 行政からの委託事業を受けやすい
  • 補助金や助成金を獲得しやすい
  • 政策提言がしやすい

 

行政との協働により、より大きな社会的インパクトを生み出すことが可能になります。

NPO法人設立による人材確保のメリット

NPO法人を設立することで、以下のような人材確保のメリットがあります:

  1. ボランティアを集めやすい
  2. 専門性の高い人材を確保しやすい
  3. 若い世代の参加を促しやすい

 

NPO法人という形態は、社会貢献に興味のある人材を引き付けやすいという特徴があります。特に、近年のSDGsへの関心の高まりから、NPO法人で働くことに魅力を感じる若者が増えています。

 

NPO法人での働き方について詳しくは、以下のYouTube動画を参照してください。

 

NPO法人で働くということ - YouTube

NPO法人設立のブランディングメリット

NPO法人という形態自体が、社会貢献を目的とした組織であることを示