法人設立の方法と流れ・手順・費用

法人設立の方法と流れ・手順・費用

法人設立の方法と手順

法人設立の主なステップ
📝
会社の基本情報決定

会社形態、商号、事業目的などを決定

📄
定款作成と認証

会社の基本ルールを定め、公証人の認証を受ける

🏛️
登記申請

法務局に必要書類を提出し、会社の登記を行う

 

法人設立の方法は、大きく分けて株式会社と合同会社の2つがあります。それぞれの特徴や設立手順について詳しく見ていきましょう。

法人設立の株式会社と合同会社の違い

株式会社と合同会社は、設立の手順や必要な費用、経営の柔軟性などに違いがあります。

  1. 設立手続きの複雑さ

    • 株式会社:比較的複雑で、定款の認証が必要
    • 合同会社:比較的簡単で、定款の認証不要

  2. 設立費用

    • 株式会社:約24万円~
    • 合同会社:約7万円~

  3. 社会的信用度

    • 株式会社:高い
    • 合同会社:株式会社よりやや低い

  4. 経営の柔軟性

    • 株式会社:株主総会や取締役会など、意思決定機関が必要
    • 合同会社:社員の合意のみで意思決定が可能

法人設立の手順と必要書類

法人設立の基本的な手順は以下の通りです:

  1. 会社の基本情報を決定

    • 会社形態(株式会社or合同会社)
    • 商号(会社名)
    • 本店所在地
    • 事業目的
    • 資本金額
    • 役員構成

  2. 定款の作成

    • 会社の基本的なルールを記載
    • 株式会社の場合は公証人の認証が必要

  3. 出資金の払い込み

    • 銀行で専用口座を開設し、資本金を払い込む

  4. 登記申請書類の作成

    • 定款
    • 出資金払込証明書
    • 役員就任承諾書
    • 印鑑証明書 など

  5. 法務局への登記申請

    • 必要書類を提出し、登録免許税を納付

 

法務局の会社設立登記申請書類一覧の詳細はこちら

法人設立の費用と資本金の決め方

法人設立にかかる主な費用は以下の通りです:

  1. 登録免許税:15万円(資本金が1億円以下の場合)
  2. 定款認証手数料:5万円(株式会社の場合)
  3. 印鑑作成費:1~2万円
  4. その他諸経費:1~2万円

 

資本金の決め方のポイント:

  • 最低限の資本金規制はなくなりましたが、事業規模に応じた金額を設定
  • 初期投資や当面の運転資金を考慮
  • 社会的信用度を考慮(一般的に100万円以上が望ましい)

法人設立後の必要な手続き

法人設立後、以下の手続きが必要です:

  1. 税務署への届出

    • 法人設立届出書
    • 青色申告の承認申請書
    • 給与支払事務所等の開設届出書

  2. 都道府県税事務所・市区町村への届出

    • 法人設立届出書

  3. 労働基準監督署・公共職業安定所への届出(従業員を雇用する場合)

    • 労働保険関係成立届
    • 雇用保険適用事業所設置届

  4. 年金事務所への届出(従業員を雇用する場合)

    • 健康保険・厚生年金保険新規適用届

 

国税庁の法人税関係の各種手続きの詳細はこちら

法人設立のオンライン申請と電子定款

近年、法人設立手続きのオンライン化が進んでおり、電子定款の利用や登記のオンライン申請が可能になっています。

 

電子定款のメリット:

  • 印紙税4万円が不要
  • 公証人役場への訪問が不要
  • 修正が容易

 

オンライン申請のメリット:

  • 24時間365日申請可能
  • 窓口への来訪が不要
  • 手続きの迅速化

 

法務局のオンライン申請に関する詳細情報はこちら

 

電子定款やオンライン申請を利用することで、法人設立の手続きをより効率的に進めることができます。ただし、初めて利用する場合は事前に電子証明書の取得など、準備が必要な点に注意しましょう。

法人設立における税理士・行政書士の活用

法人設立の手続きは複雑で、専門知識が必要な場面も多いため、税理士や行政書士などの専門家を活用するのも一つの方法です。

 

専門家に依頼するメリット:

  • 手続きの確実性が高まる
  • 時間と労力の節約になる
  • 専門的なアドバイスが得られる

 

一方で、費用が追加でかかるデメリットもあります。一般的に、税理士や行政書士に法人設立を依頼する場合、10~30万円程度の費用がかかります。

 

自分で手続きを行うか、専門家に依頼するかは、自身の知識や時間的余裕、予算などを考慮して判断しましょう。

 

日本税理士会連合会の税理士検索サービスはこちら

 

法人設立は事業の大きな転換点となる重要な手続きです。本記事で紹介した基本的な流れや注意点を押さえつつ、必要に応じて専門家のアドバイスも受けながら、慎重に進めていくことが大切です。

 

また、法人設立後の経営においても、適切な会計処理や税務申告が求められます。設立時だけでなく、その後の事業運営も見据えて、計画的に準備を進めていくことをおすすめします。

 

最後に、法人設立は事業の第一歩に過ぎません。設立後も顧客獲得や事業拡大など、様々な課題に直面することになります。法人化のメリットを最大限に活かしつつ、継続的な成長を目指して努力を重ねていくことが、事業成功の鍵となるでしょう。

 

参考:法人設立の流れを分かりやすく解説したYouTube動画

 

この動画では、法人設立の具体的な手順や注意点について、実際の書類を使いながら詳しく説明しています。視覚的に理解したい方におすすめです。